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ハムの長文置き場

文章量的にTwitterに流しにくい好きなことを語るためのブログ

ヒーローショーに行ってきました

 

 少し前に仮面ライダーゴーストのヒーローショーに行ってきました。

 

 僕にとってのヒーローショーというのは父に連れて行ってもらった仮面ライダークウガのショーが最初で最後でした。実に16年前です。あのころ無邪気にテレビの前で目を輝かせていた男の子はテレビの前で無邪気に目を輝かせる青年になりました。ここまで変わらないとは思っていませんでした。

 

 16年前、当時の僕にとっては特撮ヒーローというものはブラウン管の向こう側、主に東京とかで日夜平和のために立派に戦っているものであり物理的に距離の届かぬ存在だと思っていました。存在自体はしっかりと信じていました。実写だし。

 

 それがはるばる地方までやってくるのです。この目で見られるのです。これは行かない手はありません。

 

 そうして父に連れられ観に行ったクウガのショー。変身ポーズをとってからテントに走りこんで変身するクウガ。必殺のキックを撃ち込まれて爆発しないでテントに走りこむ怪人。テレビで見たものとはちょっと違いますがそこに憧れのクウガが居るのです。皆の命を脅かす怪人をやっつけているのです。興奮しないわけがありません。

 

 そうしてショーを見終え、クウガと握手してもらい大満足でハム少年は帰ったのでした。この話には「フィクション」という言葉の意味を母に問うて物凄く後悔するという素敵なオチがついています。

 

 

 そんな思い出の詰まったヒーローショー。住居を変え一人暮らしを始め、上記の思いでも思い出すこともなくなってしまい半ば漠然と日々を過ごしていたときに開催告知のポスターを見つけたのです。

 

 仮面ライダーゴースト、2016年現在大人気放送中の平成仮面ライダー第17作品目のヒーローショーです。

 

 いや、さすがにこの年でひとりでヒーローショーはまずいでしょ、などとそういう正論が脳味噌で飛び交いますが幸いなことにショー当日は完全なオフ日、正当な理由を持った誘惑が正論を打ち負かすのにそう時間はかかりませんでした。

 

 そうして迎えたショー当日、開始5分前に到着して否が応でも目に飛び込んでくるのは観客席にずらっと座っている子供…というかパパさんママさん。なんででしょう。ショーを見る前から涙が出てきます。男は心で泣くのです。偉いので涙は見せないのです。

 また、僕の後にも少ないながらもちらほらと親子連れが入ってきます。当然親子連れを優先して立ち見ですら前のほうを譲り後ろへと行きます。特撮おじさんは肩身が狭いのです。大本命の子供の存在を蔑ろにしてはいけないのです。前のお父さんの長身で半分くらいステージが見えません。また心が涙を流しています。仮面で涙を隠して日々を戦うのです。

 

 そうして始まったゴーストショー。クウガと比べてゴーストのスーツ相当出来良くなったなーとか怪人今も客席回ったりするんだなーとか今はヒーローが子供たちに簡単なクイズ出したりするんだなーとか司会のお姉さんお話に関わっている割には妙にセリフ間違うなーとかストーリーと玩具展開が密接に関わりすぎているせいでショーのお話の設定に無理があるんじゃないかなーとか観ながら考えているうちにショーは終わっちゃいました。

 

 殺陣のシーンは唸りたくなるほど目を見張るものがありました。ゴーストは中の人が出てこないながらも本人音声でさも中に人が居るようでしたし(上記のクウガのショーはオダギリジョー本人が出ていた記憶があります。記憶違いかもしれませんしそもスケジュールが忙しいのはどうしようもありませんが)、サブキャラのユルセン(目玉おやじを幽霊にしたようなキャラ。生意気でお調子者ながらも声優さんの演技もあってカワイイ)も幽霊という設定を生かし声だけで無理なくステージに存在させていたのは流石の一言に尽きます。

 

 しかしそれだけの要素があってもどうしても、朝テレビで見ているように物語にのめり込めないのです。

 ショーではテレビで見るようにCGなんて一切使えませんし御成やアカリを筆頭とした魅力的な人間サブキャラも出てきません。ゴーストの剣の斬撃音も雷が落ちてるみたいな大きな音がするばかりでこれまたテレビの音とは違います。ゴーストの中の人も素晴らしい動きをしているとはいえ高岩さんではないので比べてしまうとどうしても差が出てきます。仮面ライダーを見ながらつけてきた知識が僕を現実に繋ぎとめているのです。大人になってイマジネーションが無くなるとはこういうことか。

 

 しかしそれでも、会場の子供たちは大いににぎわっていました。怪人に本気で怖がっていたり、ゴーストの変身アイテムを手に応援していたり、声援を送っていたり、クイズに元気よく答えていたり。

 

 まるで昔の自分を見ているようで、少しばかり目頭が熱くなりました。

 

 

 クウガのショーから16年、身も心も汚れきってしまいました。そういう意味ではショーを無邪気に応援している子供たちをとても羨ましく感じます。見たありのままを素晴らしく感じる感性、それもある種大切なことだと思うのです。そういったことを感じられただけでも今回のショーは満足でした。

 

 ゴーストと握手したかったけどやっぱ男一人はつらいよなぁと思い、やっぱり心で泣きながら会場を後にするのでした。